子どもの運動能力・バスケットボール育成

オーストラリアの子どもたちの
運動能力が低下している

最近報道されている身体活動不足、Balance、Coordination、Fundamental Movement Skillsの問題は、SHIN FITNESSで約10年間子どもたちを指導してきた現場で実際に起こっていることと、非常によく一致しています。

オーストラリアの子どもたちの身体活動不足や、Balance、Coordination、Fundamental Movement Skillsなどの基本的な運動能力について、近年あらためて問題が指摘されています。私にとって重要なのは、この問題がニュースの中だけの話ではないということです。

これは私がSHIN FITNESSで約10年間、子どもたちを指導してきた現場で実際に起こっていることと、非常によく一致しています。

オーストラリアで問題になっているのは、競技技術以前の「動く力」

子どものスポーツ能力というと、シュート、ドリブル、キック、泳ぎ方など、競技そのものの技術に目が向きやすくなります。しかし、その前に必要なのが、自分の身体をコントロールして動かすための基本能力です。

例えば、走る、跳ぶ、投げる、捕る、止まる、バランスを取る、方向を変える、身体を安定させるといったFundamental Movement Skillsです。

Australian Sports CommissionはPhysical Literacyを、身体活動を生涯続けるためのSkills、Knowledge、Behaviours、Confidence、Motivationを含むものとして位置づけています。つまり、子どもの身体づくりは一つの競技技術だけではなく、幅広い動作や身体操作を積み上げることが重要です。

18.3%5〜17歳で、毎日60分以上の身体活動基準を満たした割合
27.8%娯楽スクリーン時間を1日2時間以内に収めた割合
7.2%測定された24時間行動ガイドラインをすべて満たした割合

出典:Australian Bureau of Statistics, National Nutrition and Physical Activity Survey 2023(2026年6月公表)。政府の推奨では5〜17歳は毎日60分以上の中〜高強度身体活動が目安です。これらの数字は「すべての運動能力が一律に低下した」ことを証明するものではありませんが、日常的な身体活動が十分でない子どもが多いことを示しています。

さらに、Exercise & Sports Science Australiaは2026年、就学前の子どものBalanceを含む基本的な身体能力について懸念を示しています。スクリーン時間の増加、外遊びの減少、日常の中で走る・跳ぶ・投げる・捕る機会が減ることは、子どもが自然に多様な動きを経験する機会を少なくします。

PUBLIC DATA

公的データから分かること

オーストラリアでは、5〜17歳の多くが毎日60分以上の身体活動基準を満たしていません。Physical Literacyや基本動作を育てる機会の重要性も公的機関から示されています。

COACHING EXPERIENCE

SHIN FITNESSで実際に確認してきたこと

長期間トレーニングを止めた子どもが戻ると、技術だけでなく身体操作、タイミング、集中、練習リズムの後退を毎回はっきり確認します。これは約10年間の継続的な指導観察です。

約10年間の指導現場で、毎回はっきり確認する後退

私はSHIN FITNESSで、長期間トレーニングを休んだ子どもが戻ってくる場面を何度も見てきました。

そのとき、次のような変化を毎回はっきりと確認します。

  • 以前できていた動きの精度が落ちる
  • ボールコントロールの感覚が鈍る
  • 身体の動きが重くなる
  • フットワークやタイミングがずれる
  • 集中力が戻るまで時間がかかる
  • トレーニングのリズムを取り戻すまで時間がかかる

これは「研究によってすべての子どもに同じ低下が起きると証明されている」という意味ではありません。

SHIN FITNESSで約10年間、子どもたちを継続的に指導してきた中で確認してきたコーチング現場の事実として書いています。

バスケットボール以前に不足しているFundamentals

SHIN FITNESSでは、単にシュートとドリブルだけを教えているわけではありません。

実際の指導では、次の要素を非常に重視しています。

  • Coordination — 手足や視線を連動させる
  • Balance — 姿勢と重心をコントロールする
  • Footwork — 正しい足運びで止まり、動き出す
  • Body Control — 自分の身体を思った位置へ動かす
  • Reaction — 合図、相手、ボールに反応する
  • Running — 正しく走り、速度を変える
  • Jumping — 跳ぶ、空中姿勢を保つ、安全に着地する
  • Stopping — スピードから安全に減速し、次の動作につなぐ

私は、バスケットボール技術以前に、「自分の身体を思った通りに動かす能力」そのものが不足している子どもを実際に多く指導しています。

ドリブルだけを練習しても、走れない、止まれない、姿勢を保てない、左右へ正しく動けない状態では、試合で技術を使うことは難しくなります。

子どもがバスケットボールを始める年齢と、その前に身につけたい基本動作については、「子どもがバスケットボールを始めるなら何歳?」でも詳しく説明しています。

School Holidayのたびに、運動習慣まで完全に止めてしまう問題

オーストラリアではSchool Holidayが年間に何度もあります。

もちろん、家族旅行は大切です。子どもが学校や競技から少し離れて休むことも必要です。SHIN FITNESSは、旅行や休養そのものを否定しているわけではありません。

問題は、School Holidayになったという理由だけで、2週間、3週間とスポーツ・トレーニング・日常的な運動習慣そのものまで完全に止めてしまうことです。

学校がない期間に、外遊びやスポーツが減り、その時間がスクリーン中心になれば、子どもが日常の中で身体を使う量はさらに減りやすくなります。

SHIN FITNESSがSchool Holiday中もトレーニングを続ける理由については、「なぜSHIN FITNESSはスクールホリデーも毎日練習するのか」でも詳しくまとめています。

3週間休んでも、3週間前と同じ場所から再開できるわけではない

3週間何もしなかった子どもが、3週間前とまったく同じ状態で戻ってくるわけではありません。

これは、SHIN FITNESSの現場では非常に重要なポイントです。

休んでいた3週間だけが失われるのではありません。戻ってきてから、ボールの感覚、Footwork、Timing、身体の軽さ、集中、練習のテンポを元の状態に戻すための時間が必要になります。

カレンダー上では3週間休んだだけでも、Progressという観点では、それ以上の時間を失う可能性があります。

ここで「3週間休むと科学的に必ず何%能力が落ちる」といった一律の数字を示すつもりはありません。年齢、もともとの運動量、休止中の活動、競技歴によって影響は変わります。

しかし、長期間ほとんど動かなかった子どもが、休む前と同じ状態では戻ってこないことを、私は長年の指導で繰り返し確認してきました。

SHIN FITNESSがSchool Holidayでもトレーニングを止めない理由

SHIN FITNESSでは、School Holidayだからという理由だけでトレーニングを停止しません。

理由は、子どもたちのProgressを年間を通して止めないためです。

私たちは、1週間だけ、1つのSchool Termだけで子どもの成長を見ているわけではありません。

1

School Term

学校生活と両立しながら、短い間隔で基礎を反復します。

2

School Holiday

長期完全停止を避け、時間を使って基礎とゲーム経験を積み上げます。

3

年間・数年間

Training、Recovery、Consistencyを組み合わせ、Progressを長期で管理します。

この長期的なStructureが、SHIN FITNESSの大きな特徴です。

どうしても休む場合は、可能であれば1週間程度まで

家族旅行、帰省、学校行事などで、どうしてもトレーニングから離れることはあります。

SHIN FITNESSでは、やむを得ず休む場合は、可能であれば1週間程度までを推奨しています。

どうしても必要な場合でも、最大2週間程度に抑え、戻ってきたら、できるだけ早くトレーニングを再開することを勧めています。

重要:「1週間なら能力が落ちない」「2週間なら科学的に安全」という意味ではありません。これは、約10年間の指導経験から、長期完全停止をできるだけ避けるために設定しているSHIN FITNESSの実践的な方針です。理想はSchool Holiday中も、年齢と体調に合った運動・トレーニングを継続することです。

Recoveryと、何週間も身体を動かさないことは別物

継続を重視すると、「休ませないのか」と誤解されることがありますが、そうではありません。

次のような場合には、当然Recoveryが必要です。

  • 強い疲労がある
  • 強い筋肉痛がある
  • けがや痛みがある
  • 体調不良や感染症がある
  • トレーニングを始めたばかりで、身体がまだ頻度に適応していない

適切なRecoveryと、何週間もほとんど身体を動かさないことは同じではありません。

SHIN FITNESSでは、毎回同じ高強度で追い込むわけではありません。

軽い日、技術中心の日、高強度の日、ゲーム中心の日などを組み合わせます。必要なRecoveryを取りながらトレーニングの流れ自体は切らないため、年間を通した継続が可能になります。

週3回以上を勧める理由は「たくさん練習するため」だけではない

SHIN FITNESSでは、本気で上達したい子どもには、原則として週3回以上の継続参加を推奨しています。

しかし、その理由は単純に「たくさん練習した方がいいから」ではありません。

子どもには学校行事、体調不良、家族の予定、旅行、天候などによる欠席があります。週1〜2回の予定では、一度休むだけで練習間隔が非常に長くなることがあります。

週3回以上という設定は、年間を通してProgressを管理し、基礎、技術、判断、練習習慣を途切れにくくするための実践的な最低ラインです。

練習頻度と年齢別の考え方については、「子どものバスケ練習は週何時間必要?」で詳しく説明しています。

SHIN FITNESSのTraining Structure:Training + Recovery + Consistency

子どもの成長を長期的に考えるとき、必要なのは「毎日限界まで練習すること」でも「ホリデーのたびに完全停止すること」でもありません。

T

Training

年齢とレベルに合った基礎、技術、判断、身体操作を計画的に積み上げる。

R

Recovery

疲労、痛み、体調、適応状態に合わせて必要な休養と軽い日を入れる。

C

Consistency

School TermとSchool Holidayを切り離さず、年間・数年間でProgressを継続する。

この3つを組み合わせることが重要です。

トレーニングだけでも足りません。RecoveryだけでもProgressは作れません。そして、良いTrainingとRecoveryがあっても、何週間もの完全停止を何度も繰り返せば積み上げは難しくなります。

私たちが守りたいのは「練習回数」ではなく、子どもたちのProgress

SHIN FITNESSが年間を通してトレーニングを続け、原則として週3回以上の継続参加を推奨しているのには、明確な理由があります。

私たちが守りたいのは、「練習回数」そのものではありません。

子どもたちが積み重ねてきたProgressです。

そして、そのProgressを可能な限り止めないこと。

それがSHIN FITNESSのTraining Structureの基本的な考え方です。

Gold Coastで、年間を通して継続できるトレーニングを

SHIN FITNESSでは、7〜20歳の初心者からクラブ・代表選手まで、Fundamentals、Basketball Skills、Decision Making、Fitness、Disciplineを段階的に指導しています。トライアル、メンバーシップ、練習頻度についてご相談ください。

参考資料・公的情報

  1. Australian Bureau of Statistics — Children's physical activity, screen time and sleep:National Nutrition and Physical Activity Survey 2023。5〜17歳の身体活動・スクリーン時間・睡眠の達成状況。
  2. Australian Government Department of Health — 24-Hour Movement Guidelines: Children and Young People (5 to 17 years):身体活動、座位行動、睡眠に関する政府ガイドライン。
  3. Australian Sports Commission — Physical Literacy:Physical Literacyの考え方と、Physical・Psychological・Social・Cognitive領域。
  4. Exercise & Sports Science Australia — Kids have no balance: five-minute test reveals hidden problem in Aussie kindy kids:就学前の子どものBalanceなど基本的身体能力に関する専門家団体の発信。

公的統計・専門家団体の情報と、SHIN FITNESSにおける約10年間のコーチング経験は区別して記載しています。長期休止後の個々の変化、1週間・2週間という休止目安、週3回以上という参加方針は、すべての子どもに同じ結果を保証する研究上の閾値ではなく、SHIN FITNESSの実践的なTraining Structureです。